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令和3年 港湾局に関する決算審査 2021/09/09

令和3年度の決算特別委員会にて、港湾局に対して以下の点で質疑を実施。

1、東南アジアへのポートセールス強化について

世界に目を向けると令和2年のコンテナ取扱個数を国別で確認すれば、上位10ヶ国中5ヶ国が東南アジア諸国となっており、構成比率にして約3割弱を占めています。加えて、当該地域の経済成長は著しく、これからの成長性を鑑みると、神戸港の発展にとって、極めて重要な地域であると考えます。

神戸港では開港150年を迎えた平成29年以降、東南アジアの5ヶ国・8港湾との間で、相互交流のほか、貨物航路の展開などを推進する連携協定を締結したと伺っています。さらに外郭団体である阪神国際港湾株式会社においても、カンボジアのシハヌークビル港に出資しており、これら東南アジア諸港とのネットワークは神戸港の優位性と言えます。

コロナ収束後を見据えて、東南アジアからのさらなる集貨を図るべく、特に大きな成長が見込まれる東南アジア地域に重点を置きながら、ポートセールスを強化していくべきと考え、質疑を実施。

2、ウォーターフロント再開発について(三宮・元町への波及効果)

再開発の進むウォーターフロントエリアでは、新港第1突堤基部において、2021年10月29日に「神戸ポートミュージアム」がオープンとなり、当該地域の活性化が期待されます。さらに、新港第2突堤では、アリーナ整備計画が打ち出されたほか、今後も第2突堤基部や、第1突堤~第2突堤間の水域活用等、神戸へのさらなる集客、投資を呼び込む事業が予定されており、我が会派としても非常に期待しているところです。

2025年令和7年には大阪・関西万博の開催が予定され、この関西エリアが世界的に注目を集める絶好の機会となり、神戸経済の活性化のためにも、このタイミングを逃すことなく、果敢にチャレンジしスピード感を持って再整備を進めていただきたいと考えます。

①三宮・元町への波及効果について

まず、再開発事業を推進していくことで、神戸経済の活性化を促すことは重要です。一方で、注意しなければならないのが、経済効果が再開発エリアだけでなく、隣接するエリアで経済活動する零細な地元企業にも波及させていくことが大切です。そのためには、ウォーターフロントを訪れた方々を、いかに三宮・元町へと誘導し回遊性を高め、神戸経済トータルでの滞在時間及び消費額を伸ばしていくかについて、考えていかなければなりません。

そこで、港湾局において、ウォーターフロントの東西の回遊性とあわせて、都市局、建設局等と連携し、南北の回遊性についても検討を進めていくと伺っていますが、単に「駅からウォーターフロントへ」、或いは「ウォーターフロントから駅へ」ではなく、三宮・元町の街への誘導の観点から、回遊性向上について検討していくべきと考えます。

②中突堤中央ビル再整備について

中突堤周辺地区においては、ポートタワー北側の中突堤中央ビルの再整備が検討され、令和元年のサウンディング調査においては、参加事業者から、体験型施設、宿泊型施設、商業施設、スポーツ関連施設が提案されています。

中突堤中央ビルは、メリケンパークの玄関口にあり、ウォーターフロントエリアの活性化に寄与する施設となることが期待されています。例えば、神戸で頑張っている事業者を誘致するなど、全国どこにでもある施設ではなく、訪れた人に「神戸」をしっかり感じることができる施設が相応しいと考えますが、見解を伺います。また、経済効果の最大化の観点から、隣接エリアである元町との棲み分けを図り、元町と相乗的な活性化を図れるような施設の導入を検討していくべきと考えます。

③水域活用について

新港第1突堤・第2突堤間の水域活用については、令和2年2月にサウンディング調査が行われ、参加事業者から、マリーナや水上レストランなどの提案がされています。

議会における日独友好議員連盟の一員として、2019年ハンブルクを視察させていただきました。現在ハンブルク・ハーフェンシティの再開発プロジェクトが進行しています。当該エリアでは、洪水対策として海抜7.5メートルから9メートルにかさ上げされた上に建物や道路が建設されています。また、ハーフェンシティを歩いて視察させていただきましたが、「水や風、緑」を感じることができる快適で上質な街づくりが実行されています。そして、神戸市においてもハンブルク・ハーフェンシティと類似している地形や町並みがあります。また、最近ではコンサートホールである「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」が建設されデザイン性でも着目されています。「神戸港将来構想」で掲げている「世界から人を惹きつける神戸ウォーターフロントの形成」を着実に実行していただきたいと考えます。

最後に、神戸市民はもちろんのこと、県外の観光客や外国の方々も「水・風。緑」を肌で実感できる街づくりを関係部局と連携して築いていただきたいと思いますし、応援したいと考えます。

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