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令和2年 建築住宅所管に関する決算審査 2020/10/5

建築住宅局に関する決算審査について、大きく5点質疑させていただきました。

1、市営住宅について
(1)第3次市営マネジメント計画について
平成22年6月に策定した第二次市営住宅マネジメント計画によると、令和2年度末までに管理戸数を53,000戸から46,000戸程度への縮減を目標としており、令和元年度末の管理戸数は46,981戸と、概ね計画通り行っていることは一定の評価をしています。しかし、これからの日本の少子超高齢化を踏まえると、まだ市営住宅戸数が余剰に存在し、20都市の政令指定比較においても上から3番目に市営住宅戸数があります。単純に人口規模を比較しても、多い印象です。ただ、市内の市営住宅においても、立地や当該地域の人気エリアなど市営住宅でも人気の差があるのは事実です。
本当に困っている方々には、市営住宅を提供していく必要があると考えますし、ただ削減していくべきだと申し上げているわけでもありません。つまり、セーフティネットの役割を担いつつ、時代に応じた市営住宅に転換していく必要があると考えます。

(2)二重行政の解消について
公営住宅については、二重行政の解消のため、兵庫県と神戸市で様々な連携を実施していることは承知しています。一方で、隣接している県営住宅と市営住宅の再編にあたっては、県・市が互いに同じ方向を向いて再編していくべきであると考えます。県・市の連携により、隣接した公営住宅を再編すれば、それぞれの敷地を合わせた広いスペースを確保することができ、民間企業とも連携して、にぎわいができるような施設をつくることができます。
県営住宅と市営住宅との立地状況や耐用年数などを考慮して、できるところから県と市が協力してまずは整備部会で検討した上で一つの成功事例を作っていただきたいと思います。

(3)学生向け市営住宅について
入居者が高齢化している市営住宅への大学生によるコミュニティ支援を目的に、市営住宅の活用として神戸市内外の大学生が市営住宅に入居していると聞く。今後さらに学生の市営住宅の入居者を増やすべきと考えます。入居だけでなく、若者が地域貢献できる仕組みが必要です。例えば、地域の祭りには一部担い手不足の深刻な現状があり、学生が参加すれば地域発展に資すると考えます。担当局においては、学生が入居するだけでなく、地域貢献の視点と学生自身も人間として成長できる場所の提供をしていただきたいと思います。

2、木材利用の促進について
国は、林業を振興し森林整備等にあてる財源として、森林環境税及び森林環境譲与税を創設しています。そして、森林環境税は、個人住民税として一人定額1,000円を課すもので令和6年度から課税されます。近年の豪雨被害など、森林現場の課題に早期に対応する必要があるため、令和元年度より森林環境譲与税として、地方公共団体に配分されていると伺っています。
例えば、森林環境贈与税を活用して、魅力的な木造建築物をたてる。デザイン都市神戸として、兵庫県産材や六甲山の一部木材を活用して、温かみのある木造建築物をたてていくべきと考えます。

3、営繕工事における地元発注について
建築住宅局においては、市有建築物の建設にあたり、設計・入札・発注・工事監督・各種検査等の実施を行っている伺っています。営繕工事の発注にあたっては、地域経済の活性化のためにも地元企業への発注を優先するべきと考えます。

4、大規模建築物の解体補助について
老朽空家を対象とした解体補助事業を令和元年度より実施し、一定の成果をあげていることについては評価しますが、適切な管理が行われておらず老朽化したビルやホールのような大規模建築物について、安全対策を行うべきと考えます。 所有企業の倒産等によりに資金力がない場合、放置されたままとなる。北区でもかつて大学にあったホールが使用されず放置されていた事例もありましたので、注意喚起・指導はもちろんのこと当該建物が流通していく環境整備も必要と考えます。

5、ESCO事業について
ESCO事業とは、照明のLED化や空調の効率化など、省エネ効果の高い設備に更新し、更新にかかる費用を光熱水費でまかない、同時に環境負荷も低減する取り組みであると聞く。公園灯(約1,600公園、約10,000灯)のLED化等を実施したと聞くが、これまでどのような成果を上げてきたのか。また、今後、トンネル照明のLED化(28トンネル)に取り組むとのことを伺っています。
費用対効果を検証して、取組んでいただきたいと思います。

最後になりますが、当局の皆さんにおいては失敗を怖れずに、様々なことにチャレンジしていただきたいと思います。チャレンジしなければ、何も生まれませんし、神戸市が発展していくことはできません。
小さなことからできるところから挑戦し、成功の積み重ねが神戸市の発展につながりますので、職員の皆さんともに頑張りましょう。

 

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