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令和2年 都市局に関する決算審査 2020/10/6

本日、都市局に関する決算審査があり、下記の5点に関する事項を質疑・要望させていただきました。

1、ライトアップによる地域の魅力発信について
神戸の都心における夜間景観の形成については、KOBEライトアップDAYの実施など、官民連携による取組みが進められており、神戸らしい魅力ある都市空間が創出されていると感じています。例えば京都の二条城では、プロジェクションマッピングによる演出が行われていますが、北区にも歴史ある寺社仏閣や茅葺民家が多く残っています。このような地域資源を活かした光の演出を行うことで、北区の魅力発信やにぎわいの創出につながるものと考えます。

現在、夜間景観形成支援制度として、景観を活かしたまちづくりに取組む地域団体などを支援する制度がありますが、対象エリアは都心部やウォーターフロントに限定されています。北区淡河町の石峯寺(しゃくぶじ)では、地域団体が夜市の開催とあわせてお寺のライトアップを実施し、地域活性化に取組んでいます。支援制度の対象を都心だけでなく、里山農エリアにも拡大し、景観を活かしたまちづくりに取り組む団体を広く支援すべきと考えます。

2、六甲・摩耶山上における新たな交通手段導入について
六甲山の山上において、新たな交通手段の導入可能性を検証するため、社会実験の実施に向けた準備が進められています。過去には、ドアがない2人乗りの電気自動車を利用した山上での交通社会実験を行ったようですが、新たな交通手段の導入につなげるためにも、過去の経験を踏まえた上で社会実験を行うべきであると考えます。神戸市として、これまで実施された山上での交通社会実験をどう評価しているのか検証し、次のステップにいかしていく必要があります。

新たな交通手段の導入に向けては、観光資源として当該事業が定着し、山上の回遊性向上につなげていただきたい。挑戦するなら事業が継続するように慎重かつ果敢に取り組んでいただきたいと思います。

3、「空き家・空き地」の活用について(空き家・空き地活用課)
全国的に「空き家・空き地」が増加し続ける中、防犯・防災や衛生面、景観上の観点から、神戸市においても対策をしっかりと実施していく必要があります。

現在、「空き家・空き地地域利用バンク」による空き家所有者と利用を希望する地域団体等とのマッチングの他、地域利用をする際に、空きのリノベーションや空き地の整備を支援するなど、さまざまな制度が用意されていることは承知しています。しかし、令和元年度に実際に地域利用につながった事例は6件であります。

2025年には団塊世代が75歳以上となり、国民の5人に1人が75歳以上となります。さらに、1年あたりの死亡者数を見れば、2015年では約129万人で2040年には168万人になると予測されています。これは、政令指定都市が1つ消滅する規模となります。つまり、高齢世帯が持っていた住まいの相続が増え、相続を機に空き家になる可能性があります。総務省住宅・土地統計調査によれば、近畿地方において「戸建て空き家予備軍率」は神戸市須磨区32.8%で上位2位、神戸市垂水区が30%で9位となり、他都市で比べて当該地域は空き家予備率が高いということになります。つまり、今後ますます神戸市内で「空き家・空き地」が増えていくことになるのは明らかです。

民間市場の流通性が低い「空き家・空き地」については、地域の個性が際立った土地利用へと行政として誘導できるかがキーポイントになってくると考えます。他都市においては、空き家を利用して保育室の運営や茶道などの分化活動の他、アトリエ工房など、多様な方法で活用が図られています。令和元年度における神戸市の実績では、高齢者を対象としたコミュニティスペースとしての活用事例が多い。他都市の事例も参考にしながら、関心がありそうな民間事業者やNPO団体にあたるなど、ニーズの掘り起こしやマッチングが必要と考えます。

市町村の空き家バンクは、実績が高いところと低いところの差がある非常に大きく、単に物件を登録しているだけの受け身の自治体もあると聞いています。どの程度、物件が動き成果に結びついているのか総括していく必要があると考えます。

4、駅の美装化について
駅は、その地域の住民にとっての移動の起点であるとともに、地域の顔となる空間であり場所です。令和元年度は、神戸電鉄が行った有馬温泉駅におけるデザイン性の高い照明の設置や長田駅の美装化に向けたプランの作成に対して支援を行ったと伺っています。

神戸電鉄沿線には、施設の規模は小さいが、駅周辺に住宅街が広がり、一定の利用がある駅もある。このような小規模な駅も含めて美装化を進めていくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか見解を伺います。

神戸市では、市域に軌道を有する鉄道事業者に対して、駅施設等の美装化事業に対し補助しています。この補助事業は、地域の玄関口である鉄道駅を快適な空間とすることは大切ですし、鉄道事業者が駅施設をリニューアルしようとする動機を促すことにもつながり、この取組みを着実に展開していただきたいと思います。先程、事例説明していただいた有馬温泉駅を視察させていただきましたが、温泉街らしい雰囲気がある演出をしています。

神戸電鉄沿線には、施設の規模は小さいが、駅周辺に住宅街が広がり、比較的利用が多い駅をあります。それぞれの駅が特色を出していくには、駅に応じた付加価値をつけていくことも必要です。例えば、神戸産や兵庫県産の木材を使用した駅名板、特色あるデザインや当該地域の歴史を用いたデザインコードを採用する、ミュウラルアートなど活気がある駅の美装化に取組んでいただきたいと思います。

5、鈴蘭台駅前における無電柱化について
北区の玄関口である鈴蘭台駅前においては、地域拠点にふさわしい交通結節機能の改善及び駅前でのにぎわいづくりを図るため、再開発ビルの建設や駅前広場の整備が行われてきており、令和2年10月末には事業が完了する予定と伺っています。無電柱化については、関係会社等と協議したが技術的な場面で無電柱化できないことが判明しました。
しかし、駅前が再整備されたことにより、今まで気にならなかった電柱や電線が目につくようになったと感じています。電柱等については、これまで地中化の検討や関係者との協議を重ねてきたと聞いており、私からも要望を当局に対して伝えてきました。その結果、関係者の努力で電線を一定の規模でまとめていただき以前と比較して景観がすっきりとした印象を受けます。感謝申し上げます。これから、神戸市内の他地域にも無電柱化の政策を展開していただきたいと思います。

 

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